私の「廃業」・「倒産」体験談

ブログ画像

ベテラン経営者も同じでしょうが、

特にこれから起業する予定、起業したばかりの方にとって、

起業して、一番したくない失敗は、「廃業」や「倒産」ではないでしょうか?


起業をするには、様々な理由や目的があります。  


その理由や目的を達成して「廃業」するのならともかく、

意図しないで、仕方なく「廃業」をしたり、

支払いができず「倒産」したりする のは、

嫌ですよね?


そんな「廃業」や「倒産」の私の体験談を紹介します。

「廃業」体験談

祖父はパチンコの発明家

私の祖父は「パチンコ」を発明し、「パチンコ屋」を創業した人と聞いています。祖父は父が中学生ぐらいのときに亡くなったそうです。


今のパチンコではなく、本当の初期のパチンコで、コリントゲームを縦型にした感じのものだったそうです。どうも他にもラジオとかいろいろ発明していたようです。


戦後、改良が加えられ、パチンコ産業という一大娯楽産業となったようです。


パチンコで特許をとっていれば、それなりの資産家になったんでしょうが、結局とっていなかったみたいです。


戦後、パチンコを改良して正村ゲージを考案した正村竹一さんも特許をとっていなかったそうです。


パチンコを発明したり、改良したりした人はなぜ特許をとらなかったのかと親族ながら思います。ただ、私たちにとっては、相続には関係ありませんが…。


因みに、亡き父は、正村ゲージを学びに行ったと言っていました。


伯父が事業を承継

その後、パチンコ屋の経営は続いていましたが、経営に興味がなかった伯父が長子相続で引継いでいました。


私の父は、伯父と違い経営に興味があったため、別の仕事をしていた父を新社屋建設に伴う新装開店のために、応援を頼まれ、手伝ったようでした。


私も幼少のころ、一時期パチンコ屋のお姉さんに保育園に送り迎えをしてもらった記憶が残っています。  


しかし、経営が順調になると、ただ単に応援に行った父や母に対し、いろいろあったようで、結果的にその店の応援を辞めてしまったのです。  


その後、伯父は経営できなくなり、「廃業」に至ったようです。

創業家の廃業後

そんな様子をみて、「パチンコ屋」創業家の本業が、伯父はともかく父や私たちは意図しない「廃業」になってしまうことを非常に残念に思っていました。
 
伯父の応援を辞めた後、私たち家族は以前から住んでいた神戸に戻り、父はサラリーマンになりました。
 
近所には商店街があり、父と買い物に一緒に行くと、経営の勉強をしていた父から繁盛店のコツなどをいろいろ教えてもらいました。
 
そんな経験から、中小企業の経営支援をしたいと思うようになり、経営の勉強のため、大学時代は公認会計士を目指しました。
 
しかし、大企業相手の監査業務に興味が薄れ、結局目指すことをあきらめてしまいました。
 
ただ、中小企業の経営支援をしたいという想いは変わらなかったので、税理士を目指すことに方向転換をすることにしました。
 
とはいっても、税理士の顧問先では担当できる件数も少ないため、多くの中小企業を知りたいと考え、様々な中小企業の経営者と話ができる国税専門官という公務員を選択することにしました。

「倒産」体験談

最初の配属先は徴収部門

当初配属した部署が、税務署の徴収部門という部署です。税金を期限までに納められない滞納者に対して、納税相談や滞納処分をする業務を行います。

滞納者は、たいてい資金繰りが良くなく、支払いができなくなり、「倒産」に至ってしまうケースが少なくありません。

倒産会社の実態

・売上が上がらず、あきらめた会社
・節税いう名目の浪費で資金繰りができなくなった会社
・無駄な投資で資金繰りに行き詰った会社
・決算書など見れずに問題点に気づかず、改善できずに終わってしまった会社
・取引先の倒産により債権回収困難で連鎖倒産になってしまった会社
・消費者金融に騙され、本来支払わなくていいものまで債権譲渡させられた会社
・軟禁状態の社長さん
など数多くの「倒産」を実体験として見てきました。

その後にも、法人調査担当部門などで毎年100件以上の、倒産、廃業、休業などの処理をしてきました。

「廃業」「倒産」を防止するにはコツがある

最後に

そんな会社の中には、ちょっとした知識を使い、実行するだけで倒産や廃業などに陥ることを防げたと感じることも多くありました。

以上のように私の廃業や倒産の体験談は、私そのものの経験ではありません。

ただ、親族や当時身近であった滞納者や納税者の皆さんです。

そんな意図しない「廃業」や「倒産」といった経験する中小企業を少しでも減らしたい、そんな気持ちで今税理士をやっています。

自分の行きたい業種・業態の会社の経営者に会えるとても楽しく、刺激のある職場に30年以上勤務してしまいました。

しかし、初心を振り返り、定年を迎える前の元気なうちに、国税の職場を出ることにしました。

これから、中小企業の経営者の皆さんに、「廃業」や「倒産」にならない経営のコツをお伝えできればと考えています。

----------------------------------------------------------------------

こだま税理士事務所

住所:埼玉県さいたま市桜区山久保2-16-1

パークスクエア浦和埼大通り412

----------------------------------------------------------------------