はじめに
最近、マネーフォワードやフリーのクラウド会計が注目されています。
注目されている理由の中に、
銀行やクレジットカードなどのデータ連携が自動ででき、
仕訳もある程度自動でできるといったことがあります。
クラウド会計の危険な罠⁉
そんな便利なクラウド会計ソフトは、
簿記を知らない人が使うと
間違った仕訳をしたまま、申告することになってしまうことがあります。
例)ある消耗品をクレジットカードで1,000円で買ったとします。 クラウド会計のデータ連携から、 Aクレジット会社の取引データから 消耗品費 1,000円 / 未払金 1,000円 と自動記帳されます。 例えば、 B銀行の取引データから 消耗品費 1,000円 / 普通預金 1,000円 と自動記帳されます。 (経費内容によって、経費の種類等の補正は必要です。) (正しい仕訳だと 未払金 1,000円 / 普通預金 1,000円 なのですが、 簡便的に現金主義で仕訳をすると上記のような仕訳になってしまいます。) この場合、Aクレジット会社及びB銀行の各データから自動記帳されたものは、 同じ経費のものであり、重複仕訳となってしまいます。 このまま放置しておくと、消耗品費1,000円が過大に計上しているため、 利益が圧縮された結果となります。 そのため、誤った申告になってしまい、 場合によっては税務調査で指摘を受けることになってしまいます。 上記の例は、一つの取引といった単純な例でしたが、 同じミスが繰り返されると金額も大きくなってきますので、 場合によってはとんでもないことになってしまう場合もあります。 令和5年10月から開始されたインボイス制度によって、 インボイスの保管が必要となりました。 今までクレジット会社のデータを敢えて連携していなかったところも、 データ連携をするようになったところも増えてくると考えられます。 そうすると今世間で騒がれている仕訳の手間が増えるだけでなく、 仕訳の誤りも増える可能性が高くなります。 さらに、消耗品費の支払に要した領収書などでも記帳してしまうと、 三重仕訳が発生することもあります。 こういったケースは、 クラウド会計に限らず発生しているものです。 通常は税理士等がチェックしてある程度は防げます。 ただ、税理士に依頼せずにクラウド会計から申告する場合には、 それぞれでチェックする必要があります。 では、どうすればいいのか? まずは、預金の残高があっているか確認します。 また、支払いには現金や電子マネー等もありますので、 それらの残高も一致しているのか確認します。 重複仕訳があれば、それぞれの実際の残高と帳簿残高が不一致になります。 不一致になったら、原因を解明しましょう。 では、原因を特定するにはどうすればいいのでしょうか? マネーフォワードの仕訳帳の画面の右上に、 重複チェックのボタンがあります。 そのボタンをクリックすると、 重複仕訳と思われるものをピックアップしてくれます。 (フリーでも同様の機能があります。) 原因としては、売上や原価・経費の重複形状のほかに 資金移動などによる重複仕訳もあります。 ピックアップされた仕訳が、どの原因なのか確認したうえで、訂正削除をしてください。 問題のない場合もあるので、必ず原因は確認してください。 なお、重複チェックだけで訂正した場合だと誤っているケースもあるため、 それぞれの残高と一致させることをお勧めします。 以上のように、 クラウド会計は銀行等のデータ連携ができ、 入力の手間が省け、 非常に便利な会計ソフトです。 しかし、全幅の信頼を持って申告してしまうと 大きな落とし穴にはまってしまう可能性があります。 落とし穴にはまらないよう、 重複チェック機能と 帳簿と実際の残高の一致を 確認するようにしましょう。 そのためには、 早めに記帳を済ませ、 チェックする時間を設けましょう‼ インボイス制度で増える手間と仕訳の誤り‼
さらに増えるチェックの手間‼
最後に
こだま税理士事務所
住所:埼玉県さいたま市桜区山久保2-16-1
パークスクエア浦和埼大通り412
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